お豆腐探検隊
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お豆腐探検隊/倉本詩穏
築地野口やさん 倉本詩穏 ●築地野口屋
〒104-0045
東京都中央区築地4-14-18
妙泉寺ビル2F
TEL/03-3543-1027
みなさん、こんにちは!お豆腐探検隊の倉本詩穏です。 今日はお豆腐や湯葉の引き売りで有名な築地野口屋さんにやってきましたよ。
築地野口屋さんのリヤカーに幟をつけた引き売りスタイルは東京では知らない人はいないと思うくらい、町の隅から隅まで回っている感じです。 赤坂にあるお豆腐探検隊の事務所の周りでも、また我が家でも何回も買ったこともあるし、すごくおいしいので興味を持っていました。今回、野口屋さんを取材する事になって、どんな風に引き売りをしているのかの様子を詳しく知ることができるので、とっても楽しみです。今回は2日間に分けて、初日は築地にある野口屋さん本店、2日目は密着で引き売りの様子を取材します!
詩穏
皆さんもきっと「と〜〜〜ふ〜〜〜」を聞いたことがあるのではないでしょうか?街中で「と〜〜〜ふ〜〜〜」を聞くとついつい気になって、お豆腐を食べたくなっちゃいますよね。
昔ながらのラッパの音は風情あるように長く大きな音で吹くのがコツなんだそうです。

築地に到着しました♪
築地に到着しました♪

賑わってますよ〜!
賑わってますよ〜!

野口屋さん本店
野口屋さん本店

豆腐がいっぱい!
豆腐がいっぱい!

ところてんも売ってるよ♪
ところてんも売ってるよ♪

甘くて濃厚な豆乳
甘くて濃厚な豆乳

2リットル入りの豆乳!
2リットル入りの豆乳!

おいしいワン!!
おいしいワン!!

富山生源禅寺 ●築地野口屋さんに到着しました〜!この日の築地は小雨が降る中、大勢の人で溢れかえっていましたよ。野口屋さんのお豆腐は、大豆の甘みやうまみがたっぷりとつまっています!水は静岡県伊豆大川の天然水で、弱アルカリ性の軟水を使用しているんですよ。ちなみに、伊豆大川って蛍の里といわれているとっても水の綺麗なところなんです☆

引き売りのポスター
大豆は佐賀県産と三重県産のフクユタカをベースに、北海道産の大豆をブレンドして使用しています。にがりは兵庫県の赤穂のにがりを使ってこだわりの味を表現しています。
さっそく事務所に入るとリヤカーで引き売りをしている大きな写真(写真右)が飾ってありました。この青い箱はおすし屋さんなどで使っているシャリ箱だそうです!保冷に最適なんだとか。それではこれから株式会社ターベルモーノの広報担当、柿沼さんにいろいろお話を伺いたいと思います☆
詩穏:早速ですが、野口屋さんの歴史を教えてください。 柿沼さん:今の社長が富山県にある正源禅寺(写真上)出身で、精進料理の湯葉や豆腐などといった伝統的な和食文化を残し伝えていけたらという願いで野口屋ができました。前は門前豆腐という名前で関東や関西の百貨店で販売していたのですが、2003年4月にターベルモーノという名前で独立したんですよ。
詩穏:ターベルモーノって、"食べるもの"に掛けているんですか?(笑) 柿沼さん:ええ、おもしろいでしょ。英語で書くと"table mono"って 書くんですよ。ちゃんとtable=テーブルになっているんです。
詩穏:そうなんですか!意味が深いんですね。ところで、リヤカーでの引き売りは初めからあったんですか?
お店の前で店長さんと2ショット
↑お店の前で店長さんと2ショット。ラッパを吹いてくれましたよ♪
柿沼さん:最初、お店で商品を作りすぎてしまったから、自転車やリヤカーでここ築地周辺を回っていたら、結構評判が良くて売れるんですよ。それからリヤカーでの引き売りを始めたんですよ。
詩穏:商品の作り過ぎから始まった引き売り、現在はどの地域で販売しているんですか?
広報担当の柿沼さん 柿沼さん:店舗ではここ築地本店と、他に銀座松屋さんと大丸芦屋店さんにて販売をしています。またリヤカーでは築地、浅草、巣鴨、亀戸、中野、練馬、赤羽、亀有、小岩、三鷹、目黒、経堂、蒲田などの地域で引き売りをしています。この年末年始にかけて神奈川にも広げていく予定なんです。
取材中の詩穏♪ 詩穏:リヤカーでの引き売りは本当に珍しいですよね。あのラッパの音はなんだか懐かしい感じがします。この築地本店には豆腐や湯葉、豆乳や納豆だけではなく、「と〜〜〜〜ふ〜〜〜〜♪」のミニラッパも売っているんですね!
さて、こちらのお店では、たくさんの種類の商品を売っていますが、人気商品はなんですか?
事務所にて柿沼さんにインタビュー♪
おいしいワン!! 柿沼さん:そうですね、夏なんかはやはり豆乳で出来たソフトクリームが結構売れますよ。あと年末が近づくと生湯葉が特に売れますね。あと今イチオシな商品は、"おいしいワン!!"です。人でも食べられるワンちゃん用の豆腐なんですよ。これは、もともとお客様が飼っているワンちゃんの餌にお豆腐をあげているというお話を伺って、それならちゃんとワンちゃん用に栄養のある物をと思って、鶏がらスープで煮たおからや鶏ささみ、野菜などを入れた豆腐を考え出したんです!現在、猫ちゃん用の豆腐も考えている最中なんですよ。
詩穏:猫ちゃん用の豆腐というと、"おいしいニャン"ですか?(笑) それにしても、すごいですね!ワンちゃんも野口屋さんのおいしいお豆腐の味を知ったら他のお豆腐が食べれなくなるかもしれませんね(笑)
さっき、こちらの生湯葉を店頭で試食させていただいたのですが、とても濃厚で歯ごたえもしっかりしているし、ふんわりと甘いんですよね。本当においしかったです!

倉庫の前で集合写真 ●取材2日目の今日は、引き売りの倉庫がある曙橋にやって来ました!!朝8時30分頃になると、引き売りをやる人達が集まってきます。今日は全員で4名の引き売りの人たちがいらっしゃいました。今回は、とっても素敵な声をお持ちの浜口さんに密着取材します☆

まずは自分の持分の商品を冷蔵庫から取り出し、青いシャリ箱に自分が売りやすいように綺麗に詰めていきます。箱の底に保冷剤を入れてから、お豆腐がつぶれないように斜めに入れていき、上から氷を入れて豆腐の間にも詰めていきます。お豆腐だけではなく、生湯葉・納豆・蕎麦・コンニャク・大学芋・らっきょう・岩海苔など約20種類の商品をテキパキと丁寧に詰めていきます。

箱に詰め終えたら次にリヤカーの登場です!商品が入った箱の重たい物が下になるように順番に積み重ねていきます。今回は商品用6箱+ストック用の箱1箱に、値段表や地図などを入れた箱も乗せて総重量は約30kg。
準備が整ったらいよいよ出発です!!

詩穏:今日はどの辺りへ引き売りに出かけるんですか? 浜口さん:今日は土曜日だから戸山町の方に団地とかあるので、その周辺に売りに行きますよ。
詩穏:曜日で決まっているんですね!団地とかあると結構売れそうですね。ところで、引き売りのいいところって何ですか? 浜口さん:そうですね、やっぱりいろんな人と会えることですね。お客さんと他愛のない会話をして楽しんでいます。固定のお客さんも数十人いらっしゃるんですよ。みんな私が来るのを楽しみにしてくれてるんです(笑)
詩穏:やっぱり浜口さんの人柄からなんでしょうね。人気のメニューなどはありますか?
浜口さん:野口屋オリジナルの濃厚なお豆腐と生湯葉でしょうね。今日は厚揚げがよく売れてます。あとお惣菜なんかも結構人気があるんですよ。
浜口さんが来るのを待っていたお客さんたち
↑浜口さんが来るのを待っていたお客さんたち
詩穏:お豆腐屋さんなのにいろんな商品を売っているんですね!いつもこんなにたくさんの種類の商品を売っているんですか? 浜口さん:いつも買ってくださるお客さんの好みに合わせてその日に持っていく商品はだいたい決めています。あとは新商品をどんどん薦めたりもしています。みかんジュースや羊羹なども売り出したんですよ。
詩穏:すごいですね。引き売りでこんなにたくさんの種類があったら、楽しめますよね。それに浜口さんにオススメの商品を薦められるとついつい買っちゃうんでしょうね。 浜口さん:そうですね、皆さん結構いろんな商品を買っていかれますよ。しそ巻きや大間漬け、それから豆乳パンも人気ですよ。
走ってお客さんのもとへ ●ゆっくりとした速度で周辺を見渡しながら声をかけて引き売りをしていきます。 マンションや民家に向けてラッパを吹き、路地の奥の方にまで入っていく浜口さんは路地がとっても似合っていますね☆
地元に溶け込んでいて、浜口さんの人間味が発揮され、お客さんの心にすぐに入り込んでいきます。すごい!
この戸山町は毎週土曜日に引き売りに来ていて、ラッパの音が気になって買いに来るお客さんも多いようです。中には口コミで評判を聞いて引き売りに来るのを楽しみに待っていたお客さんもいらっしゃいました。
浜口さん:また来週の土曜日に来ますからね、いてくださいね。メニューをお渡ししておきます。 お客さん:大体何時ころになるのかしらね。 浜口さん:このあたりは、12時前くらいには来ますよ。豆腐ラッパを鳴らしますからね。 「と〜〜〜ふ〜〜〜」 ●パァァ〜〜、プゥゥ〜〜 「木綿どぉふ〜、絹どーふ、生湯葉厚揚げ、ありますよぉ〜♪」 パァァ〜〜、プゥゥ〜〜 「おいしいお豆腐、小粒なっとー、ありますよぉ〜♪」と、浜口さんの遠くに通る声で何人ものお客さんが団地から降りてきました。
詩穏:ノートに何を書いているんですか? 浜口さん:これは、お客さんの情報をノートにメモしてるんですよ。どの場所でどんなお客さんが何をどのくらい買ったかなどをね。 詩穏:すごーい!細かいことまでメモしていくんですね! 浜口さん:そうでしょ!?これが売れる秘訣なんですよ(笑)
公園で昼食とってます♪ ●お昼は公園でいただきました!
詩穏:ところで浜口さんのお弁当ってどんなのかなぁ〜気になります。 浜口さん:えっ、見たいんですか!?いいですよ〜 詩穏:わぁー!!ご飯とがんもが敷き詰められてるだけじゃないですか!(笑) 浜口さん:お豆腐屋さんなだけあって、がんもどきを入れてるんですよ。 詩穏:なるほど〜。ご飯は自分で炊いているんですか? 浜口さん:当たり前ですよ!!(笑) 詩穏:毎日外で食べるご飯は楽しみですね♪ ●お昼ご飯を食べようと公園の中でお弁当を広げていたら、「あれ、お豆腐屋さんは?」と、お客さんは絶えることなく来て大忙し。
団地のお客さんが続々買いに来ています!
↑団地のお客さんが続々買いに来ています!
詩穏:お客さんがどんどん来るのでお昼もゆっくりと食べられませんねぇ。 浜口さん:いや〜本当にありがたいことですね。
詩穏:今日は引き売りに同行させていただきありがとうございました。 どのようなスタイルで引き売りをやっているのかがよくわかりました!
●今回は、朝8時過ぎから1時半頃まで同行させていただきましたが、思った以上に地域に根ざしていて、熱烈な野口屋さんのファンがいるのがわかりました。浜口さんのお客様との心をつなぐトークでお豆腐や湯葉がどんどん売れていきました。お客様はきっと毎週土曜日の豆腐ラッパの音を楽しみにしているんでしょうね。浜口さんは今日は夜の7時か8時ぐらいまで引き売りを頑張るそうです。今日は1日ありがとうございました。

これがあのノボリ☆
これがあのノボリ☆

氷を乗せますね
氷を乗せますね

詰め込み作業
詰め込み作業

リヤカーに積み込み
リヤカーに積み込み

いよいよ出発♪
いよいよ出発♪

今日はあっち方面
今日はあっち方面

信号待ちです
信号待ちです

移動中〜♪
移動中〜♪

お客様の情報をメモ!
お客様の情報をメモ!

お昼休み♪
お昼休み♪

がんものみ!さすが!
がんものみ!さすが!

路地裏でも大活躍☆
路地裏でも大活躍☆

豆腐ラッパ♪
豆腐ラッパ♪

築地野口屋さん ●築地野口屋さんの社名は「ターベルモーノ」。人が生きるために一番大切なものは『食』ではないでしょうか?という想いから命名されたそうです。

お豆腐の引き売りでは、お豆腐だけでなく豆乳やざる豆腐、うのはなコロッケや豆腐ステーキ、豆乳パン、湯葉キムチなど、実に多様な種類が売られているんです!
1回立ち寄ったらこの豊富なメニューに迷ってしまいそう☆

幅広い年代層に人気なのは、この魅力的で多彩なメニューや、引き売りの方との楽しい語らいにあるのかなぁと思いました。

精進料理である湯葉と豆腐を、日本の台所である築地で表現することにより、伝統的な和食文化を残し伝えていけたらと思っております、と語る柿沼さんの表情から日本の食の将来に対する熱い想いを感じ取れました。

それにしてもラッパを吹きながらゆっくり売り歩くスピードと、移動する時の超速いスピードに差がありすぎ(笑) 詩穏はもうほとんど走っていました。浜口さんは商品の乗ったリヤカーを引いてると、スピード出るよと言っていましたが、絶対競歩の選手になれますよ。(笑)

○○
今回、お豆腐の引き売りに同行させていただき、現代社会で失われつつあるコミュニケーションの大切さや暖かさを学べた気がします。 この会話によって育まれる絆もまた、リピーターのお客さんが増える要素なんでしょうね。 路地裏での浜口さんのお客様との世間話がとても暖かみがあって、人間性の豊かさを感じさせられました。
人と人とをお豆腐でつなぐ、築地野口屋さんの引き売りのお仕事はとっても素敵なものなんだなと感じました。 人と人とをつなぐ引き売りはコミュニケーションが少なくなった社会に癒しや暖かさをを与えてくれます。現代人に最も必要とされている暖かいコミュニケーションをこの引き売りスタイルは大いに発揮しているんでしょうね。

お豆腐探検隊 倉本詩穏


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