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↑広報担当山田さん(中央)とスタッフの方(右)と☆ |
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香織:50年の歴史をもつ「京とうふ 藤野」さん。どのようないきさつでお豆腐屋を始められたのですか?
藤野さん:このお店は先代の会長が始めたので、現在は2代目に当たります。この始まりというのは、先代が石川県の小松飛行場の立ち退きで京都に来て、お豆腐屋を始めました。
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香織:飛行場の立ち退き!それで1からお豆腐屋さんを!?
藤野さん:はい。石川の人は忍耐強く、働き者なんです。お豆腐屋はとても厳しいお仕事なので、新しく始める方も少なく、また一流の職人になるにはいろいろな試練を乗り越えなくてはならないのです。
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香織:どうして会長は他の職業ではなくお豆腐屋の職に進んだのでしょうね・・。きっと、その時から会長と「豆富」の運命的な出会いが始まっていたのですね!!
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↑これが、あの「けんこう豆乳」!!だよ。 |
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藤野さん:今の社長が中学時代に手伝いをしていた頃は、豆腐屋”さん”とはつけてくれず、どうしても下に見られがちでした。そのようなこともあってナニクソ!という気持ちでひたすら頑張ったようです。
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香織:それが今の「京とうふ 藤野」さん独特のオリジナルな商品につながってくるんですね。
藤野さん:オリジナルな商品が増えたのは今から、25年くらい前に大きなきっかけがありました。大丸さんに京都展で「豆腐屋として出展しないか」と商工会議所から貴重なお話をもらったんです。
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香織:それはすごい!!
藤野さん:6尺2本くらいの広さがあったのでそこを埋めるのに必死でした。当時のお豆腐屋の商品の種類なんてそんなにありませんでしたから。いろいろ悩んだ末に胡麻、黒豆、ひろうす、辛子、など新しい商品を考えました。
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香織:なるほどぉ。そんなきっかけで現在の堂々とした「京とうふ 藤野」さんが後にできるんですね!まさに運命的!!
藤野さん:すごく苦労はしましたが、やって良かったと思っています。
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↑豆腐職人さんと☆作り終わったところで一枚☆ |
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香織:他には、どのような苦労があったのですか?
藤野さん:その頃は、発砲スチロールではなく、クーラーBOXでお豆腐を運んでいたので、出荷するのにも大変苦労しました。クーラーBOXが返ってこないと送れないのですが、そのころ1つ買うのに、1万や2万もしたのでそう簡単に買えるものでなかったんです。
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香織:出荷の地点から苦労があったのですね。
藤野さん:運ぶ途中に壊れてしまうので、トラックに同乗して、どこが悪いのか、何がいけないのか、どのあたりで壊れてしまうのか、を試行錯誤して考えました。このようなたくさんの問題をひとつずつ解決した結果、やっとの思いで成功することができました。
香織:成功した喜びもとても大きかったのでしょうね。
藤野さん:その後は、ギフトも出来るようにと考えました。
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香織:ギフトは嬉しいですね!!
藤野さん:その頃ちょうどクロネコヤマトのクール宅急便が始まったのですが、お願いしても始めは断られていました。お豆腐は壊れやすいし、他の商品を汚してしまうおそれがあるのです。そこで、アルバイトの人でも運べるような容器や包装を考えました。
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香織:今のように便利で、なんでも揃っている世の中ではない分、思いがけないところで、いろいろ工夫して考えなければいけなかったんですね。この本店もなにか工夫があったりするのですか?
藤野さん:隣に工場を作ったため、
今まで製造していた場所が空いたのです。そこで社長は、「じっくりと選べるとうふ屋にしたい!」と考え、真ん中にケースを置いて、くるっと見れるような構造にしました。
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●北野 十冨膳 3、990円
豆乳、お豆腐の田楽、石びき豆腐の湯豆腐、揚げたてのひろうす、湯葉のお刺身、湯葉しゃぶ、お豆腐を作った白味噌汁、ご飯、香の物、卯の花、お豆腐のアイスケーキ、丹波の黒豆の珈琲などのコース。
石びきとうふはしっかりと食感を感じるが、口に入れるとほろほろと崩れていきます(^∪^)
湯豆腐の桶を作ったのは人間国宝の「中川清司」さんなんだそう!! |
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香織:社長さんのナイスアイディアで、また一歩前進し、周りの目をひきつけるような新しく珍しい建物になったんですね!
藤野さん:そのようになってから取材の数も次第に増えていき、取材の中で、
「斬新で新しい豆腐屋」だと言ってくれました。そのときに、出来立ての湯葉やお豆腐をお出ししたりしているのを見て来てくれたお客様はできたてが食べられると思っていたんですが、そうはできなくて…がっかりさせてしまいました。
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香織:そんなことがあったのですね。
藤野さん:それがきっかけとなり平成2年に食事処を作っりました。そのころは豆腐料理があまりなかったので、一つ一つが貴重で、オリジナルの料理でした。
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香織:今ではお豆腐料理は当たり前となっていますね。
藤野さん:豆腐は奴や湯豆腐だけじゃない。というのを伝えるために一生懸命考え、レシピも聞かれれば全て教えていました。今ではお豆腐やさんでは当たり前のおぼろ豆腐ですが、初めて出したときに、とても喜んでいただいたため、おぼろ豆腐を商品にしたのですが、腐りやすかったりするため、扱いが大変でしたね。
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香織:本当に一つ一つに思いがこもっていることでしょう。現在は丸ビル、六本木ヒルズにも出店されてますね?
藤野さん:「京とうふ藤野」の良さを認めてくれて、お話をもらい、どちらも縁があって出来たことです。
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香織:とても勇気のいることだと思いますよ。
藤野さん:丸ビルに出展した頃は、周りにお店もあまりなく、閑散としていたので本当にここで商売できるのか?という感じでした(笑)でも、今のビルに造り変えたときの報道や取材の数を見て本当にすごいビルなんだと実感しました。吸引力のあるビルで、今はたくさんのお店が並んでいますね。
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香織:六本木ヒルズの北側に位置するお店『TO-FU CAFE FUJINO』には豆腐や豆乳を使った個性的なランチやスイーツがたくさん。甘いもの好きにはたまらないですね♪
藤野さん:まだまだ知られていなかった豆腐スイーツがこんなに種類のあるものなのだと伝えたい。これがコンセプトになっています。和と洋の混じったカップやトレー、そして何よりゆったりとした空間なのでリラックスして安らげます。
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香織:今後はどのような展開をしていきたいと考えていますか?
藤野さん:次々と移り変わっていく世の中に付いていく為、自分自身も変わっていかなくてはならない。そして常に成長し続けていかなければいけないということは、とても大変なことです。
そして、これからの課題は後継者をどうやってやる気にさせるか、ですね。やりたい、と思わせるような職業にしなければなりませんね。
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↑専務の藤野久子さんと♪ |
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