お豆腐探検隊
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お豆腐探検隊/伊藤冴瑛
田村屋豆腐店 ●田村家豆腐店
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-10-7 田村ビル1階
電話番号 045-311-4077
なんと一丁一万円の豆腐の噂を聞いて横浜の小さな小さなお豆腐屋さんにやってきました。お店は大通りを少し入った所にある、昔ながらの造りのお豆腐屋さんです。。メニューはこだわりのものがたくさん!毎日全部手作りです。食べたい種類のできたての時間を見計らって行ってみては?また、全国各地に発送もしているそうなので、遠い方でもおいしい豆腐がいただけます。
冴瑛
お店は家族で経営されているのであったかい雰囲気。入って話しをしたとたん、和やかな気持ちになりました。サービス精神旺盛な田村家豆腐店のみなさんです。今回、取材の対応をしていただいたのは、広報担当の田村亮さん。なんか同姓同名の人を聞いたことがあるような・・・さっそくお話を伺いましょう!

大粒ですね
エンレイ大豆

水抜き中
これが厚揚げに!

大きな釜です
釜ゆでの釜

出来たて★
おぼろ豆腐

プリンみたい
黒ゴマ豆腐の試食♪

豆乳鍋にもドウゾ
豆乳を試飲(^^)

ハイポーズ
デジカメで撮影

店先で田村亮さんと
冴瑛:これから厚揚げを作っていくそうです。ではでは作業風景を見学させてもらいましょう。大きなフライヤーですね!

田村さん:豆腐を入れると温度が下がっちゃうし、おいしく作るには大きな入れ物にたっぷりの油を入れて揚げなければならないんだよ。

冴瑛:なるほど〜これは何度ぐらいで揚げているんですか?

田村さん:180度で5〜6丁ずつ揚げていくよ。片面ずつ3分ほど揚げると出来上がり。さ、出来たてアツアツのうちに食べてみてください。

冴瑛:いただきまーす。なんかさっきから試食ばっかり(笑)きつね色の表面がとってもおいしそう。うんっ!外側はサクサクで中の豆腐はやわらかくていい食感ですね。香りも食欲を誘ういい香りですね。

田村さん:油は大豆油を使用しているから、大豆の旨みがさらに凝縮されてるんだよ。この醤油だしをかけるとおいしいよ。

冴瑛:ダシともよく合いますね。揚げ豆腐って出来たてはこんなにサクサクしてることにホントビックリです。出来たては何時ぐらいにいただけるんですか?

田村さん:だいたいお昼過ぎから夕方ぐらいかな。3時とか。

冴瑛:分かりましたーそのあたりが狙い目ですね。要チェックです。

田村さん:これは銀木綿豆腐を作っています。一晩水に浸してふやかした大豆を石臼で挽いて、釜でゆで、にがりを入れるなどして出来上がったおぼろ状になった豆腐を、木綿を敷いた型に流し込んでいきます。

冴瑛:木綿が余分な水分を通して出してくれるんですね。この黄色い汁もおいしそうですけど。

田村さん:この汁は、にがりで固めきれない大豆の旨みが出て栄養も豊富です。この固まる前の段階がおぼろ豆腐。食べてみてください。

冴瑛:水分の中に大豆の旨みも含まれているんですね。この水分を出してさらにおいしさを固めるなんて木綿作りは贅沢ですね。おぼろ豆腐、食べるというよりサラッと飲めちゃう感じです。汲出したばかりのあったかい豆腐で体の芯からぽっかぽか。

田村さん:そうだねえ。流し込み終わったら容器にふたをして電車のレールの重りで押していきます。

冴瑛:このかなり重い鉄、レールなんだあ。この大きい入れ物から何丁のお豆腐が出来るんですか?

田村さん:40丁つくれるよ。固まったら「ふね」という水を張ったものに豆腐をはなすんだ。それから切る作業だよ。

冴瑛:このふねに入れて豆腐が売られていると昔ながらの伝統的な豆腐屋さんって感じがする。見た目でもおいしさが増しちゃうなあ。

田村さん:1丁の豆腐におよそ300個以上の大豆が入ってるって言われてるよ。食べてみてください。

冴瑛:わーい♪そんなに大豆が含まれていて女性にはとっても嬉しい話。このしっかりした歯ごたえ、弾力がありますね。大豆のいいかおりがあって、臭みが全くないですね。昔から守られてきたずっと変わらないおいしさがみなさんから支持されているんですね。こんなおいしさを出すには材料にもこだわりがあるんですよね?

田村さん:大豆は新潟のエンレイ大豆を使用しています。にがりは大島産の海精にがり。いろいろ試して、田村家豆腐作りにベストなものを選んでいます。

冴瑛:素材から行程まで全力を注ぎ込まれているからこそ、最高な豆腐が完成するんですね。

伊藤冴瑛
銀木綿豆腐を持たせてもらったよ。この弾力分かります?
冴瑛:あ!豆腐がミンチ肉みたいな形に挽かれてるよ!これは?

田村さん:がんもどきを作っています。豆腐は絹と木綿をブレンド。これにみじん切りにした人参、ゴマ、こんぶ、すりおろした山芋を加えてこねて丸くしていきます。山芋はつなぎの役目もするよ。

冴瑛:なんだかハンバーグ作りみたい。一つ一つ手作業でとっても手間がかかってるんですね。

田村さん:手をかけた分おいしくなるからね。油で揚げるのは低温油と高温油で2度揚げします。

冴瑛:どうしてですか?

田村さん:そうすることで、中までじっくり熱が通るし外はカリカリになるんだよ。

冴瑛:ほんとだ〜外はカリっと香ばしいですね。山芋を入れることでさらに豆腐がふんわりしてる。中の具も食感がいいですね。人参の赤も綺麗だし。

田村さん:おやつ感覚で食べられるでしょ?

冴瑛:はい!豆腐がおやつだと健康にも良さそう♪おでんにもよく味がしみて合いそう!

伊藤冴瑛
創作割烹豆腐をいただいています。おいいしいぞお♪
創作豆腐 ←田村家豆腐店さんのオリジナル創作豆腐です。

この他にもいろんな種類があるよ。全種類制覇したいなあ。これからも新作を出していきたいとのこと。楽しみですね。

●(左上)くるみ豆腐
くるみを細かく刻んで煎ったものが加えられています。皮の味が少々ビターに引き締めてくれます。香ばしい味わい。サラダに良く合います。
●(中上)ピスタチオ豆腐
つぶつぶした食感 が最高。ピスタチオそのものの味が生かされてます。これは、特別にオーダーを受けて作ったもので市販はしていません。
●(右上)ウコン豆腐
一見、着色料?って思っちゃうけどこれがウコンそのものの色。薬膳漢方としていただけます。ウコンの苦味が豆腐の甘味で和らいでます。
●(左下)田村家豆腐
これぞ王道。甘みたっぷり、濃厚な味わい。大豆の風味が鼻からぬけていきます。伝わるかな(^^;)豆腐ツウには外せない一品だよ。
●(中下)黒ゴマ豆腐
しっかりにがりで固めてあって弾力もあります。これに黒みつをかけるのも食べ方の一つ。甘い黒ゴマプリンみたいな新しい味わいになるよ。
●(右下)宇治抹茶豆腐
お茶の緑がキレイ。抹茶のいい香りと、ほのかな苦味が魅力。やわらかく、口の中に入れるととろけます。これも黒みつでデザートとしても。
表彰
左のたては、店主の田村実さんが横浜市長より優秀技能者賞という賞をいただいたときのもの。長年豆腐を守り続けてきた功績が称えられたんですね。 右のトロフィーは、田村亮さんがくるみレシピコンテストで、くるみ豆腐サラダのレシピで入賞したときのもの。とってもおいしそうですね。
冴瑛:ところで田村さん、一丁一万円豆腐の噂を聞いたんですけど何ですか?

田村さん:日本テレビからオファーがあって気合いを入れて作りました。1月16日の「世界まる見え!」に提供したんですよ。名前の通り一丁一万円の高級豆腐なんです。

冴瑛:噂はホントなんだぁ(>▽<)!スゴ〜い♪何が違うんですか?

田村さん:高級な丹波の黄大豆を特別に取り寄せて使ったんだよ。早朝からみんなで頑張りました。あと、1リットル1000円もする水を使用しました。大豆を挽くときにもその水を使ったよ。

冴瑛:こだわり抜いた最高級のお豆腐なんですね。

田村さん:そうですね。にがりは、大島産、瀬戸内産などいろいろテストして最終的に大島産を使ったよ。大変だったけど周りの反響も大きくて喜んでもらえたよ。

冴瑛:すごいですね。あたしも食べたぁい!(まだ食べ足りないの!?)

伊藤冴瑛 ●お豆腐屋さんは全国に1万数千店あるといわれています。しかし、それぞれに考え方や製造工程に違いがあって、百人百様、千差万別なのでしょう。同じ「豆腐」であっても、何ら印象のないものから、大豆のうまみがしっかり伝わってくるものまで幅広いですよね。

今回取材をさせていただいた田村家豆腐店さんは大変すばらしいお豆腐屋さんでした。豆腐は生きているので温度、湿度、季節によって左右されるんですよね。それに合わせて、分量や作り方をさじ加減。その加減を見極めるには長年の知恵と経験が必要。だから田村家豆腐店さんはいつもおいしいお豆腐を私たちに提供し続けてくれるのでしょうね。

冴瑛
伝統というものだけに固執せず、新しくてよいもの、時代のニーズにあったものは、どんどん取り入れて更なるおいしさを求めていくという姿勢。温故知新というのでしょうか、私はとても大好きで共感できます。
もちろん伝統も大切にされています。そして温かい雰囲気でお客さんを迎えられています。冴瑛はこのホッとする雰囲気が大好き♪
そして特に冴瑛のお気に入りは創作豆腐。本当にその味がするからビックリ!ただ味をつけるだけでなく、美味しさも追求しているよ。種類も豊富にあるのでときどき立ち寄りたくなっちゃった(^∀^)


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